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Illustrator で遠近感があるパース図を簡単に描く方法

Illustrator で建物や室内のイラストを描く時に重要になるのが遠近感を出すことで、構図の手前から奥に向けて徐々に小さくなるように意図的に考えなくてもグリッド線を表示して簡単に描く方法について紹介する。

Illustrator で遠近感があるパース図を簡単に描く方法

1. パースとは

パースとは perspective(パースペクティブ)の略で、風景などで手前のものは大きく、奥に遠のくほど小さく見えるといった遠近を表す言葉である。
一般的には遠近法や透視図法を用いて建物の外観や室内を立体的に図面化したパース図のことを差すことが多く、建築の業界でよく耳にする。

Illustrator でパース図

上図は Illustrator で描いたパース図だが、次の手順で簡単に描くことができる。

2. Illustrator でパース図を描く方法

Illustrator でパース図を描く場合、遠近グリッド機能を利用するとキャンバスの奥に向けて図形を小さくさせる角度が表示されるのでそれに沿って図形を配置するだけで簡単にパース図を描くことができる。

2-1. 遠近グリッドを表示

遠近グリッドの利用方法を説明する上でその準備としてまず下図のように白紙のキャンバスを用意する。

白紙のキャンバスを用意

次にツールより「遠近グリッドツール」を選択する。

「遠近グリッドツール」を選択

「遠近グリッドツール」を選択すると下図のようにマス目模様のグリッド線とグリッド線の計上を変更するポインターが表示される。
各ポイントをマウスでドラッグすることで奥行きを変更したり、グリッド線の範囲を変えることができる。
グリッド線は遠近を示すだけでなく、図形を配置するとグリッド線に自動的に吸着して変形する特徴があるため、配置する図形の大きさに合わせてグリッド線の大きさをポインタで変えておく図形の大きさを後から変更する手間が省ける。

遠近グリッド線の表示とポインタの位置変更

2-2. 図形を配置

「遠近グリッドツール」でグリッド線をキャンバス上に表示させた次は、実際に図形などを配置してイラストを書き込んでいく。
四角形の長方形をグリッド線上に配置しようとすると自動的に線に吸着して下図のように変形する。

遠近グリッド線に吸着した長方形

遠近グリッド線上に配置した図形を変形したい場合はツールより「遠近図形選択ツール」を利用する。

「遠近図形選択ツール」を選択

「遠近図形選択ツール」をクリックすると通常の図形を変更する時と同じように図形上にポインターが表示されるので、このポインターをマウスでドラッグすると図形の拡大縮小を行うことができる。
図形を拡大縮小する際も遠近グリッド線が表示された状態であれば、グリッド線に沿うように自動的に変形を維持したまま大きさが変更される。

図形の拡大縮小

2-3. 違う面に図形を配置

前述では遠近グリッド線の左部に長方形を配置したので、次は右部に同じく長方形を配置したいが、実際に長方形を追加で配置すると下図のように左部のグリッド線に吸着されてしまい、右部のグリッド線に吸着されない。

図形を追加した様子

遠近グリッド線の右部にも図形を配置する場合は、グリッド線よりもさらに左上にあるアイコンをクリックすることで左部・右部・下部の 3 箇所に対して吸着する対象を切り替えることができる。
実際に右部に吸着するように切り替えて長方形の図形を配置したの下図となる。

右部に図形を吸着させた様子

2-4. 遠近グリッドを非表示

遠近グリッド線を非表示にして元のキャンバスに自由に図形を配置したりペンツールで絵画したい場合は、上部メニューより「表示 -> 遠近グリッド -> グリッドを隠す」を選択すると遠近グリッドが非表示になる。

「表示 -> 遠近グリッド -> グリッドを隠す」を選択

また、「Shift」+「Ctrl」+「I」のショートカットでも遠近グリッドを非表示にすることができる。

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